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アート

人類の50%以上が暮らすアーバンな街並みの中で、コンクリートは、国籍、色、信条にかかわりなく、どこででも目にする共通の風景である。DENAMBRIDEのアートは、そんなコンクリートに徐々に侵食されていくような街で、人々がいかに生き抜き、繁栄していくかを表現している。

-濃淡のあるグレー、風化とともにます味わい、朽ちていくグラフィティ-これらのコンクリートの壁が都市の魅力のひとつでもあり、DENAMBRIDEにとっては、アートの媒介でもあり、またクリエイティビティの源でもあるのだ。

今ますます多くのストリートアーティストが、冷たく硬いコンクリートの壁をアートキャンバスへと変貌させているが、DENAMBRIDEはこのコンセプトをさらに発展させ、道や路地の壁を模倣して実際のキャンバスに変えるコンクリートスラブアートを創造したのだ。

またアートクリエイションのプロセスにおいて、ビジョンを伝えるのに必要不可欠なキャンバスであり、彫刻のクオリティーが大きく物を言うコンクリートのカスタムスラブの作成に非常に多くの時間を費やしているのも特徴である。

DENAMBRIDEのアートは、私たちの住み暮らす中で目にする以上に、多くの人間性があることを伝え、ゆっくりと劣化する都市景観に見られる亀裂、水滴、汚れなどと様々な人々の多様性とその美しさが表現されているのも特徴である。

彼を取り囲む人や街並み、壁を見つめて創造された作品を通して伝えているのは、無味乾燥な都市、ヒューマンスピリット、そしてその人々の強さやもろさと成長や腐敗など、相反する様々なメッセージなのである。

 

バイオグラフィー

 1978年フランス生まれ。幼少期より、米国のカリフォルニアやニューヨークから発信されるスケート、スノーボード、サーフィンやアートカルチャーに影響を受ける。

20代前半でアメリカンドリームを叶えるべく、家出同然でフランスから米国カリフォルニア州サンディエゴに移り住み、その後の約15年間は米国を拠点に世界各地を巡る生活を送る。

DENAMBRIDEはアクションスポーツ業界でのビジネスに携わりながら、趣味としてのストリートアートワークに没頭し、自らのクリエイティビティを発信する楽しさを見出す。2012年、ストリートアーティストとしてのキャリアを開花させ、米国やアジア各国でのグループアートショーへの参加を開始。

この数年間、独学で新しいテクニックを習得し、探求しながら、ワックス、アクリル、スプレー、石膏などさまざまな素材にトライし続けてきた。その結果、彼の持つイメージやアイデアをコンクリートスラブというキャンバスを使うことにより、イメージのまま表現できる境地にたどり着いたのだ。彼のインスピレーションの源であるストリートと、彼のスタジオでのクリエーションを繋ぐ媒介でもあるコンクリートが、まさしくそのキャンバスとなったのである。

彼の繊細なテクニックの特長は、道で拾った素材やカスタムメイドのコンクリートスラブから、それぞれの魅力を引き出し、彼のアートワークを引き立たせるキャンバスに仕上げるところにもある。唯一無垢の割れ目、シミや汚れの痕跡は、実際の時間の流れによる傷跡であり、アートワークに深みを加えてくれるのだ。

様々なアートスタイルやテクニックを駆使するアーティストとしてのDENAMBRIDEには、古い木片から錆びた板金、コンクリートブロックまで、アートマテリアルとしての可能性に満ちた素材であり、それらを積極的に作品に取り込んでいるのも特徴である。

DENAMBRIDEはアクションスポーツとアートという2つの世界に身を置きながら、それらを取り巻くライフスタイル、カルチャーや音楽、そして世界中を旅する際に巡り合う人々、環境、交差する感情などを、アートワークを通じ表現している。ストーリー性のある彼のアートワークはどこか懐かしく美しくあり、文化やコミュニティを含む豊かな人間性も伝わってくる。その多くのテーマは、時間の経過とともに生じる変化、忘れ去られるもの、記憶に刻み込まれるもの、さらには人生の目的にも疑問を投げかけるものである。時に彼の作品には、他のアーティストの共鳴を呼ぶ言葉、引用文、記号があり、それらは作品に込められたエネルギーや思いを打ち消すことなく、DENAMBRIDEのアートワークを普遍的なモノへとしているである。

自らの世界観をさらに広げるためDENAMBRIDEは現在、創造性をさらに高めてくれる独特な街の景観を持つ香港を拠点にし、アジア文化の理解を深めながらも、世界各国への旅を続けており、旅から戻ると香港のスタジオで、絵筆の繊細なラインとステンシルのフォームとを組み合わせたスケッチテクニックを絶えず磨いている。

DENAMBRIDEは、いま彼の繊細で細かな表現が際立つフォトジェニックなアートワークでコンテンポラリーアーバンアートの世界でますます注目を集めている存在である。